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2014年2月25日 (火)

国際ワークショップで「甲状腺がんと被ばく関係なし」
以前は「100万人に1人」、今は「1万人に1人程度はいる」と山下俊一氏

Photo
(左から)会見にのぞむ山下俊一共同議長(長崎大学副学長)、桐生康生・環境省参事官、丹羽太貫・福島県立医科大学特命教授、鈴木眞一・福島県立医科大学教授ら


 2014年2月21日から23日にかけて、環境庁、福島県立医大、経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)は共同で、「放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ」を開催。県民健康管理調査のこれまでの状況について、「原発事故の放射線の影響で増えているとは考えにくい」という結論を発表しました。会議の最後に、山下俊一共同議長は、甲状腺ガンはこれ以上増えないという見通しを示しました。

 ワークショップ後の会見で山下氏は、発言の主旨について、福島県で見つかっている甲状腺ガンの数はベースラインだとし、今後もスクリーニングを続けることで、1万人あたり1人程度(100万人あたり100人程度)の甲状腺ガンが見つかるだろうという考えを述べました。

 従来、山下氏や福島県立医大の鈴木眞一医師らは、子どもの甲状腺ガンは100万人あたり1人か2人という説明としてきました。会見で示された割合はこの説明と大きく乖離しますが、鈴木氏は、当初から、スクリーニングでがんが発見されることは説明してきたとしています。

 福島県が実施している県民健康管理調査の甲状腺検査ではこれまで、33人の「ガン」と41人の「ガンの疑い」が見つかっています。一次検査のスクリーニングの結果が確定しているのは約25万500人なので、100万人あたりの人数にすると120〜290人程度の割合になります。

県民健康管理調査「甲状腺検査」の実施状況について
http://www.pref.fukushima.jp/imu/kenkoukanri/260207siryou2.pdf

 今回のワークショップで、この数字が甲状腺ガンのベースラインであり放射線の影響とは考えにくいと結論づけた理由は、発見されたガンが微小ガンであること、チェルノブイリでは幼児のガンが多かったが福島ではティーンエイジャーに多いこと、福島で見つかっているがんは進行が遅いがチェルノブイリでは進行が早かったこと、福島の被曝線量がチェルノブイリに比べて少ないことなどです。とはいえ被曝線量の評価は、まだ途上にあります。

 結論のうち年齢分布に関しては、チェルノブイリと福島では今のところ、差異があります。一方で福島のがんが微少ガンかどうかは、明らかになっていません。発表されている腫瘍径は「5.2〜40.5mm」という幅と、14.3±7.6mmという平均値です。中心の14.3を考えると、腫瘍径10mmという微少ガンの規定を超えています。

 福島の症例は進行が遅いというのも、公表されている内容では検証ができません。福島県立医大は、手術が甲状腺の全摘出なのか一部摘出なのか、リンパ節の郭清(摘出)はしたのか、転移はあったのかなどの詳細を公表していないからです。ワークショップではこうした詳細の説明をした海外の専門家もいました。福島県立医大は、手術内容は個人情報であり、個人が特定されるとして公表を拒否しています。

 そして福島での被曝線量は、まだ評価が定まっていません。県民健康管理調査が根拠にしている被曝線量は、基本調査で判明しているごく一部の住民の線量だけです。しかしアンケート形式の基本調査は、回収率が2割程度にとどまっています。また、事故後しばらくしてから、いわき市では放射性ヨウ素のプルームが通っていたことが指摘されましたが、同市からの基本調査の回答率は23%に過ぎません。

 放射性ヨウ素の半減期は8日です。甲状腺の放射性ヨウ素の等価線量は、事故直後に調査しなかったため、評価を確定するには情報が不足していることがわかっています。

 国際ワークショップでは、大人のガンと子どものガンの進行速度を比較することはできない、線量評価をきちんとすべきだ、あるいは年齢別や性別、部位別などの等価線量を推計できる(福島では行われていない)など、さまざまな意見が出ました。福島県の県民健康管理調査に関しては、情報のさらなる公開と、詳細な情報をベースにした幅広い専門家による検証が必要です。

放射線と甲状腺がんに関する国際ワークショップ
http://www.nsra.or.jp/safe/crpph2014/index-j.html

福島の甲状腺がん「放射線影響ではない」〜国際会議
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1732

福島県の子どもたちの甲状腺検査 最新結果報告
https://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/genpatsu/140218/?sid=top_yomimono_main1

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1章・脆弱な設備(仮設だらけでトラブル多発。ネズミ一匹で重要設備が停止したことなど)
2章・参院選まで公開されなかったデータ(海に出ているデータを隠した件)
3章・タンクから大量漏洩(東電の事故処理体制が劣化していることなど)
4章・海洋モニタリング(汚染水が海に出てたのは2年前にわかっていたこと、いい加減な東電の核種分析の問題と、汚染水対策の疑問。気象研究所の青山道夫氏のインタビューも)
5章・作業員が足りない(ミスによる事故の多発について。ツイッターで有名な「ハッピーさん」インタビューや中堅作業員が不足する懸念など)
6章・骨抜きの支援法(復興庁参事官のツイッター暴言事件、支援法の必要性と骨抜きの過程)
7章・東電の虚偽説明(うそついて国会事故調を妨害した件)
8章・過渡現象記録(事故原因が不明になっている問題、それを明らかにした元東電社員の木村俊雄さんのインタビューなど)
9章・「復興加速」の裏で(東電の総合特別事業計画と政府の思惑。復興加速は事故被害の極小化)

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コメント

 どうせ来年の今頃には1000人に一人まで下げるんでしょ。そしてその次には、もう子供には出なくなるから、「ほらフクイチのせいじゃなかった」って言うんだけど、成人に増えて辻褄が合わなくて「困っちゃうなぁ、リンダ俊一」ってね。
 3年後に関東一円病気蔓延。保険費用増大で国保破綻状態邁進中になる。
だってそこら中4万ベクレルだよ。低線量被曝被害が増えるのは5~6年後からさ。
俺もその一人なんで、後2年位までには近畿から向こうに引っ越そうっと。奈良県がいいかな。考古学が好きだから、橿原研究して死にたいな。

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