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2013年9月 4日 (水)

汚染水対策を怠った東電を刑事告発〜2011年6月の遮水壁工事先送りの解明も焦点

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 福島第一原発事故により被害を受けた住民らで構成する福島原発告訴団のうち、武藤類子さんら3人は9月3日、東京電力が福島第一原子力発電所で発生し続けている汚染水の対策を怠ったため有害な放射性物質が大量に海洋に流出したのは「人の健康に係る公害犯罪の処罰に関する法律」(公害罪法)の3条違反にあたるとして、東電と、武藤栄元副社長を含む当時の経営幹部ら32人を刑事告発した。原告は同日、福島県警察本部に告発状を提出した。東京で会見に臨んだ弁護団の河合弘之弁護士は福島県警へ刑事告発した狙いについて「地元で被害を被っている人たちと一緒に暮らしている福島県警にお願いするのが正しい選択ではないか」と述べた。

 公害罪法3条では、事業活動の中で適切な注意を怠って有害な物質を排出し、生命や身体に危険を生じさせた場合、2年以下の懲役若しくは禁錮又は200万円以下の罰金になる。会見で河合弁護士は「事故で穴が開いてしまったという場合は事業に伴った排出とはいわないかもしれないが、適切に漏出を防ぐことができたのにそれをサボった」場合には、事業活動によるものと考えられるとした。

 原告らが、東電が適切な処置をしなかったと考える理由のひとつに、東電の内部文書がある。2011年6月13日付けの「福島第一原子力発電所地下バウンダリの基本仕様について」という文書には、原子炉建屋とタービン建屋を囲い込み地下30mまで遮へいするという地下遮水壁の基本仕様、配置場所や構造、工程の効率化などといった課題とともに、6月14日に予定されていた発表時の注意書きも記載されている。

弁護団が示した文書
https://docs.google.com/file/d/0B5jyJeiqBSmLckQtTjk2V2ZxRUU/edit?usp=sharing

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「「地下バウンダリ」のプレスについて」。記者発表する際の問題点について列記し、内容を示さず発表する方針を示している

「地下バウンダリ」のプレスについてという文書には、株主総会を控えて有価証券報告書を監査中であり費用の見積もりの記載を求められる可能性があること、その場合は、「極めて厳しい財務状況にある現下で、仮に1000億円レベルの更なる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいた、あるいはその方向に進んでいる、との厳しい評価を受ける可能性が大きい。これは是非回避したい」と書かれている。公表した場合の記者からの追求をおそれる記載もある。結局、6月14日に遮水壁の発表はなく、17日に工程表が改訂された際に、今後の検討課題として記載された。

 直後の6月20日に毎日新聞は一面トップで「東電、遮蔽壁費用公表せず 債務超過懸念で」として文書の存在と内容を詳細に報じた。さらに毎日新聞は自社のHP上で文書の全文を公開したことが、「法と経済のジャーナル」に示されている(現在は、毎日新聞のサイトからは削除されている様子)

東京電力、福島第一原発の地下遮水壁「前倒し」に後ろ向き、決算計上「ぜひ回避したい」
http://judiciary.asahi.com/articles/2011062700006.html

 同日午前の会見で毎日新聞の記者は文書について見解を質した。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は、「どういった資料をご覧になっているかはわからないが」としたうえで、17日の工程表に検討中であることを示したと述べた。さらに文書の内容からは市場の評価を懸念して先送りにしたと捉えられることについては、「市場の懸念というのがどういうことをさすのかはわかりませんけれども、そういった費用が必要ということであれば、きちんと報告させていただきたいと思います」と回答した。翌21日の政府・東京電力合同会見で松本氏は、文書は「当時の私どもの遮水壁に対する考え方を整理したものではないかと考えている」と述べ、東電の文書であることを認めた。

 しかしいまだに、四方を囲む遮水壁の費用について、東電から説明はない。

 それから約2年後の今年8月30日、東電の会見にTBS報道特集の金平茂紀氏が参加。2011年当時に計画された遮水壁について、当時の武藤栄副社長の強い反対で中止になったという証言があるとし、事実関係を聞いた。東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は、質問には直接答えず、2011年10月に発表した陸側遮水壁を中止した経緯を説明した。報道特集は翌31日の放送で、東電が遮水壁に強く反対していたという馬淵澄夫衆議院議員(当時は首相補佐官)の証言を放送した。

 翌9月4日の会見で東電は告訴について、「コメントは差し控えたい」と述べた。武藤副社長が反対していたという指摘に関しては、確認中とした。

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コメント

放出されている放射能は、法律上は問題があっても、科学技術的には環境に過度な悪影響を及ぼすものではないことは判っています。

訴訟ということになれば、法解釈の問題でしょう。原子力関連の法律例えば放射線障害防止法などは特別法なので、弁護士が法解釈できるとは思えません。

このままでは、韓国で問題になっている国民情緒法的な話になりますね。いいかげんにして欲しいと思うのですが。

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