KINOs photo from Flickr

  • www.flickr.com
    kinoryu's items Go to kinoryu's photostream

PR

« 原子炉のパラメータ数値を出さないことで不信感を拡大する広報姿勢の不思議 | トップページ | 4月4日の海洋投棄が不要だったと思える理由が、またひとつ出てきた »

2011年4月17日 (日)

聞くときに聞いておかないと、後では確認ができなくなるかもの件

4月16日土曜日、午前11時過ぎからレク開始。記者の数がめっきり減って、空席も目立つ。いつもの半分くらいか。大きな動きもないので、質問も多くな い。昨日までの確認事項を再確認するなどで、40分程度で終了した。今後の状況は不明だが、ここのところ記者の数が減少傾向なのは否めず、このまま東電本 店の記者会見室が閉鎖などということになったらチェック機能が働かなくなるのではないかという、一抹の不安がよぎる。

この日の話題は、1号機への窒素封入を継続しているが圧力が上がらないこと、入れている窒素の量は五千数百を超え、予定していた6000m3に近いこと、 予定量を入れた後はいつまで継続するか不明であること(NRCからの指示なので、この場合の選択肢も出てくると思われる)などが質疑応答で出てくる。

そうしたレクの中でひとりの記者が、保安院からの指示文書に言及した。東電が配布した資料には「排出基準を超える放射性物質濃度の排水の海洋放出に関する経済産業省原子力安全・保安院からの指示文書の受領について」とある。

指示文書の正式名称は「排出基準を超える放射性物質濃度の排水の海洋放出について(指示)」(平成23・04・15 原院第5号)。かいつまんで言うと、原子力安全・保安院は、東電から基準値を超える濃度の汚染水放出について報告を受けたため、以下のことを指示するというものだ。

具体的には、モニタリングの数値に大きな変動はないものの、引き続き影響を注視していく必要があるため、放出量の実績やモニタリングをふまえた詳細な評価を行い、その結果を5月2日までに提出すること、モニタリングポイントを増やして結果を定期的に公表すること、魚介類を採取して放射線量の測定や影響評価をして公表することなどが記されている。

先の記者の指摘は、2号機TB地下ートレンチの1000mSv/h 超の汚染水の流出について指示文書では触れていないが、保安院から何か指示はなかったのかというもの。自主的に放出した、東電が「低濃度」と呼んでいる放射能汚染水と、1000mSv/h 超の放射線量がある極めて高い放射能汚染水の海洋汚染度を、保安院が個別に指摘していないことが気になったようだ。

これについて東電の回答は「指示はない」。記者が「1000mSv/h 超の汚染水の流出量は計測していないのか?」というと、「していない」と東電。なおも記者は「最初の段階で測ることはできなかったのか?」と聞くが「できなかった」と東電。東電は今さら、計測できたとは言わないだろう。

1000mSv/h 超の汚染水が流出していた時、当初から東電は、流出量は不明という回答を繰り返していた。個人的には、影響評価は欠かせないと思っていたし、流出量や流入源がわからなければ、完全には止められないだろうという思いもあった。とはいえその部分を指摘していたのは私やNPJ日隅氏、それに一部大手紙だけで、多くは、同時期の電源復旧工事を注視していた。

その後、2号機トレンチの先にある配電管ピットからのだだ漏れは止まったが、ある記者は「水は必ず逃げ道を探して出てくる」と指摘。今でも漏洩の可能性は否定できないし、16日夕方の会見では2号機取水口付近での放射性物質濃度が一ケタ上がっていることが判明した。

問題なのは、1000mSv/h 超の汚染水の影響が、その後の“低濃度”汚染水の大量投棄によって、不明なままになってしまったことだ。個別の汚染状況が判明したからといって、今さら海洋汚染を止められるわけではない。しかし後の事故調査の際、環境影響評価や流出経路の特定などは絶対に必要な項目であり、その時にこの超高濃度汚染水の一件が遡上に上るのは間違いない。東電にしてみれば、超高濃度汚染水を流出させた責任からは逃れられるわけだ。

1000mSv/h 超の汚染水が全体の中に占める比重がどれほどのものかは明確ではないが、こうした個別案件が積み重なると、決して小さくはない。そしてそれは、今後の補償問題に、重大な影を落とす。もしかしたら昨日の質問は、補償に関連して出てきた疑問だったのかもしれない。

東電からすんなりと出てこない情報の周辺には、出したくない、出すとマズイという認識がどこかに、あるいは誰かにあると考えるのが自然だろう。放射能漏れが止まったわけではなく、今後も放射性物質を含む排水やガスの放出は続いていく。空気中、あるいは海洋中の放射線量は大きく増えてはいないが、大きく減ってもいない。こうした部分を指摘していくのはメディアの大きな役割であり責務だと思えるし、その場で確認しておかないと、後で後悔しても遅いということになりかねない。

« 原子炉のパラメータ数値を出さないことで不信感を拡大する広報姿勢の不思議 | トップページ | 4月4日の海洋投棄が不要だったと思える理由が、またひとつ出てきた »

東電福島第一原発事故」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/560804/51411704

この記事へのトラックバック一覧です: 聞くときに聞いておかないと、後では確認ができなくなるかもの件:

« 原子炉のパラメータ数値を出さないことで不信感を拡大する広報姿勢の不思議 | トップページ | 4月4日の海洋投棄が不要だったと思える理由が、またひとつ出てきた »

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

twitter

無料ブログはココログ