KINOs photo from Flickr

  • www.flickr.com
    kinoryu's items Go to kinoryu's photostream

PR

« 高濃度の放射性物質を含む汚水の処理が極めて難しい状況になっている | トップページ | 放射性物質を含んだ汚染水の海洋投棄理由を明確に説明できない東電 »

2011年4月 6日 (水)

なぜ放射性物質を含んだ水を急いで海に捨てたのか?さっぱりわかない件

4月4日午後4時前、5分後に会見と突然の発表があった。こういうときは、ろくなことはない。

いやな予感があたった。集中廃棄物施設と、5号機・6号機のサブドレンピット(地下水湧出による液状化防止のための水抜き設備)に溜まっている“比較的低 レベルの放射性廃液”のべ1万1500トンを、海に放出するというのだ。放射性廃棄物を自主的に海に捨てるという、前代未聞の行為が、数時間後に迫っていた。

海に捨てる理由は、サブドレンピットから5/6号機地下に漏出している水が発電機などに影響しそうなことと、2号機タービン建屋地下に溜まっている高い放射線量の水の保管先を確保するためだという。

海洋放出の根拠は、原子炉等規制法64条1項である。完結に言うと、地震などの災害時に、燃料棒や放射性廃棄物による災害が起きそうな場合などに、当事者は、主務省令で応急措置を講じる必要がある、というもの。

今回の事例のためにもっと簡略化すると、東電は、これ以上に災害を広げないためには、それより小さい影響だと(東電や国が考える)措置を、経産省の指令があればできるということになる。 今回の措置は、“比較的低いレベル”と東電や国が決めた放射性排水の海洋投棄だ。

問題なのは、どのレベルの放射性廃液を捨てられるかは、東電や国が勝手に決められることだ。データの提出義務も何もない。当事者同士が密室で決めることができるといえる。

一方で東電は4月に入ってから、「再検証のため」として海水の核種分析結果を公表していない。過去の分も再検証としている。さらに、放出する水の量、放射線レベル等のデータは、東電しか持っていない。 つまり、今回の排出による影響を、第三者が検証する手段がなにもないのである。

今回の放出について東電は会見で、「緊急性がある」としているが、2号機タービン建屋の地下の水は今さっき溜まったわけではない。いずれ出てくると予想されていた放射性排水の行き先となる仮設タンクは、遅くとも3月24日の時点で我々が指摘していたにもかかわらず、「検討中」という回答が繰り返されていた。そうした対応遅れの可能性もある中で実施された放射性物質を含む水の放出には、違和感を感じざるをえない。

さらに東電は、放出時期について、会見開始時は「明日(5日)以降」としていたが、会見途中にメモが入り「準備ができ次第」に変更。この準備が何を意味するのか、明確な定義はなかった。

そのため、ある新聞社記者が「準備の中には説明責任が入るのではないか」と指摘。すると広報担当者は「持ち帰る」と、いつもの回答。以前、原子炉格納容器内の放射性ガスを放出する際、事前予告なしで放出したことがあるため、今回もまたやるのではないかという思いが、会見室に広がっていた。(この説明責任に関しては、2日後の今も、為されていない)

さらに別の記者から「この後で(いくつかの疑問点を)説明するまでは放出しないということでいいか」と念押し。東電側は広報担当松本氏と栗田氏が少し顔を見合わせてから「はい」と。本来、そんなことは確認の必要もないほど当たり前の話だが、それをしないといけないほど、東電の対応には不信感がある。

そもそも、どうしてこの時期になったのかが不明瞭だった。2号機の地下に高い放射線量の水が溜まっていた時点で、これが海へ流出する可能性は予見できたのだ。海への流出が視認され、公表されたのは4月2日だが、実際にはもっと前に確認し、今回の措置を検討していたのだろうか。

実はこの時、海への流出をもっと早い時期に認識していたとしたら、これを海外に伝え、対処方法を協議し、それより低い放射能レベルの水を海に流すという手段の合意に、少し時間がかかったのかもしれないという思いがよぎった。けれどもこの後に、韓国、ロシアなどには放出の事前通告がなかったことが明らかになった。

さらにいえば近隣漁協にも連絡はなく、後日(6日)に全漁連から抗議文が手渡されている。こうしたことを見ると、どうやら本当に、ドタバタの中で放出を決めてしまったような印象を受ける。ドタバタの中で64条を適用し、放射性廃棄物を海に投棄するという、暴挙といえることを東電と国は実行したのだろうか。

が、個人的にはそんな事情などどうでもいい。ハラが立つのは、こうした事態が完全に密室で処理され、後から検証の方法がないことだ。もともとだが、日本は、政府・企業が結託するとやりたい放題になることがある。

この放出以降、なんども責任者の説明を求めているが、6日夕方の会見時点で東電側は応じていない。広報担当者は「預かる」という言葉のみで、期限を切った対応には言葉を濁す。

そして今回の決定を、現場はどこまで知っていたのだろうか。もし知らなかったとしたら、これまでの中途半端な対応の理由もなんとなくわかる。対策本部からの指示で、妙な措置を取らされていた可能性もある。だとしたら、対策本部や統合本部、国や東電は、現場作業員すべての努力を裏切っていることになる。現場取材ができないため確証があるわけではないが、東電の対応を見ていると、こうした疑念が払拭できない。

« 高濃度の放射性物質を含む汚水の処理が極めて難しい状況になっている | トップページ | 放射性物質を含んだ汚染水の海洋投棄理由を明確に説明できない東電 »

ウェブログ・ココログ関連」カテゴリの記事

エネルギーなど」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

前略
木野龍逸様


不躾なことはお詫びします。
必要なデータのみの提供です。
ご存じかも知れませんが、京大小出裕章氏の現状把握です。
急に64条を適用しても汚染水を排出した理由にも納得できます。

東電・政府の陰謀を暴いて下さい。

再臨界の可能性:大量注水の必要性

書き起こし:http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/632.html
音声データ
4/5-1 http://www.youtube.com/watch?v=JT2YkREVTNA
4/5-2 http://www.youtube.com/watch?v=hiK0dXsENkY

4/6-1 http://www.youtube.com/watch?v=eOc_QKikzJE&feature=player_embedded#at=423

4/6-2 http://www.youtube.com/watch?v=fqPsqbED0f8&feature=player_embedded#at=13

宜しくお願いいたします。日隅・上杉両氏にも同様の文面送付しておりますが、ご了承下さいませ。

草々

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/560804/51318989

この記事へのトラックバック一覧です: なぜ放射性物質を含んだ水を急いで海に捨てたのか?さっぱりわかない件:

« 高濃度の放射性物質を含む汚水の処理が極めて難しい状況になっている | トップページ | 放射性物質を含んだ汚染水の海洋投棄理由を明確に説明できない東電 »

2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

twitter

無料ブログはココログ