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2011年4月19日 (火)

4月4日の海洋投棄が不要だったと思える理由が、またひとつ出てきた

いったい、何がどうなってるのか。。。と思うことがまたひとつ。何度も書いていることだが、4月4日から始まった放射性物質汚染水の海洋投棄のことだ。

今日(4月19日)夕方の会見で、松本純一原子力・立地本部長代理は、全体説明の中で、福島第一原発6号機でタービン建屋地下に溜まっている放射性汚染水100トンを、同タービン建屋内の復水器に移送したことを明らかにした。復水器の中にどの程度の余裕があり、今後はどのくらいの量を移送するのかなどは不明だが、松本氏は会見の中で「全体のバランスを見ながら移送」するとしていた。

ところで東電は4月4日に、5号機と6号機のサブドレンに溜まっていた放射能汚染水を自主的に海洋投棄している。海洋投棄の理由については、5号機および6号機のタービン建屋地下に水が進入し、非常用ディーゼル発電機を使用不能にする恐れが出たため、水の進入元と思われるサブドレンに溜まっている放射能汚染水を海に放出した、と説明している。

サブドレンの水が地下に漏れ出ていると推測した根拠は、1分に2リットル程度の水が壁から出ていることを目視したことと、サブドレンの水位がタービン建屋地下の床面より上にあったことの2点。つまり確実な原因としては、東電が「鉛筆くらいの太さの水が出ていた」という水の漏洩だけだった。

この理由も薄弱だったが、対策として東電は、前述したようにサブドレンの放射性汚染水を海洋投棄することを決定。午後4時過ぎの発表から5時間後の午後9時に海への放出を開始した。この間の経緯については「Asahi Judiciary」の記事に詳しく記されている。

「福島第一原発、汚水を太平洋に意図的に放出「応急措置」 」
http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011040500009.html

ここで疑問なのは、サブドレンの汚染水、あるいはタービン建屋地下に溜まっていた水を、海洋投棄する代わりに復水器に移送することはできなかったか?という点だ。4月4日の時点では、サブドレン、タービン建屋地下のいずれの水についても、復水器に移送するという話は出ていなかった。

こうした疑問点を今日の会見時に質問すると、松本氏は、「移送は4月4日からやっていた。復水器にすべてを移送しなかったのは、緊急時に余裕を残しておきたかったことなど、全体のバランスを考えてのこと」だったと回答した。この言葉をそのまま受け取れば、放射能汚染水の海洋投棄より、全体のバランスの方が重要であったということになる。

ではどんなバランスなのかについて、明確な説明はなかった。また、全てを復水器に移送せずに海洋投棄した理由も、詳細には説明しなかった。これまでと同様、緊急の対応だったというに留まっている。

5号機、6号機の復水器の容量がどのくらいなのか、正確な数字は出ていないが、仮に2〜4号機と同じだとすれば、各3000m3程度はあることになる。もっとも、最初に書いたようにどのくらいの残水があったのか明確ではないため、入れられる容量を言明することはできない。

とはいえ、1〜3号機の状況説明から推測すると、原子炉が緊急停止した後は、基本的には復水器に多量の水が残っていることはないと思える。先日、2号機タービン建屋地下の汚染水を復水器に移送したさい、700m3程度を移送した段階で、予想外に残水が多いことが判明し、移送を中止したことがあった。

このことから考えると、5号機と6号機の復水器には、かなりの量の水を入れる余地があったのではないだろうか。5/6号機から海洋投棄した汚染水の合計量は約1500m3だったことを思うと、もしかしたら捨てる必要はなかったのではないかという推測も成り立つ。

以上は、あくまでも推測の域を出ない。けれども東電の説明からは、この推測を否定するだけの根拠が出てこない。なぜ海洋投棄を急いだのか、なぜ貯蔵ではなく投棄を選択したのか、疑問は深まるばかりだ。

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東電福島第一原発事故」カテゴリの記事

コメント

私はコレ(低レベル汚染水排出)は漏れ出していた高濃度汚染水の濃度を隠すための目眩ましだったと思っています。
実際、低レベル(と東電は発表している)汚染水を自主排出したあとで海水の濃度計測を開始していますよね?
低レベル汚染水を自主排出したおかげで、漏れ出していた高濃度汚染水についてはあまり問題視されていないように感じます。

からくり的には計画停電騒動と同じように感じます。何かを隠すためにちょっと問題になりそうなことをしでかして国民の目をそらす。で、実際に被害が出る・・・。

木野さんはじめ、良識あるフリージャーナリストさんたちのおかげでいろいろなことが明るみに出始めています。
大変だと思いますが活動を続けてください。よろしくお願いします。

 (返信不要)いつも拝読しております。ありがとうございます。
 ロンドン条約締結国会議のようなものがいづれはあると思うのですが、そこで問題になるのが木野先生のご指摘のことかと存じます。
 海洋投棄の必要性に疑義が発生していることがいずれは国際問題化するはずです。韓国は事前通告がなかったと真珠湾みたいなことをいっていますが、諸外国はこの外交カードを必ず使ってきます。
 だから、先生のご指摘に東電はちゃんと答えるべきだと思います。
ドサクサマギレが国際社会に通用するなんて東電は思ってはいけません。
 外国海産物の汚染被害まで補償する財力はないはずですから、せめて説明責任は果たすべきです。
 東電詰めの大手紙記者は外信部に聞いて、視野を広げれていけば、木野先生のご懸念が「重箱の隅」ではなく、重大な事案であることに気づくかと存じます。
 お体、無理なさらないでください

低濃度汚染水の話は確かにようわからんけど、高濃度のほうはベテランの社員に聞けば直ぐに原因がわかったはず。十数年前にも地震であの穴があいて水が出続けるトラブルがあった。報告書もあったような?そのときの結論もピットのたまり水や配線ラインから水ではなくじゃ理想からの水だということになっていたはず。なんにせよ、公表された写真見た時直ぐに思い出せたくらいだから今回の対応の遅さに正直びっくりしました。(この内容は別に内部○○じゃないです)

野龍逸支援の会にカンパしたいのですが、海外在住のため、できません。Paypal account を作っていただけませんか。

いつも記者会見お疲れ様です。
 
今日の夕方~4時間の記者会見で、
ネイビー通信の田代氏が言っていた設計図が
ネットで見れるので貼っておきます。
ttp://www.houseoffoust.com/fukushima/blueprint.html
(h を足してください)
 
また、赤外線の写真や福島第一原発の敷地内の放射線量図など
が載っているサイトもあわせてご紹介します。
ttp://www.houseoffoust.com/fukushima/
(h を足してください)
 
参考になれば

SPEEDIのヨウ素に関するPDFを動画にしてみました。
参考まで。

まるでアナログ画像のようなSPEEEDI画像、
その上スキャナでもしたかのような傾き。
本当にスーパーコンピュータなんでしょうか?


モニタリングの数値より過去どのように放出されたのかを
予測したと安全委員会は会見で述べていました。
放射性物質放出予報ではない。と・・・

前部、地図の縮尺が頻繁に変わります。
このデータは原子力安全委員会がホームページ上で
配布しているSPEEDIのPDFを無加工で使用しています。


【SPEEDI動画】3/11-16:00~4/26-23:00 (ヨウ素)
http://www.youtube.com/watch?v=zOEIQEesxbE

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